僕たちが待ち望んでいた火鉢

2017年10月12日

火鉢 いっしょなら、きっと、うまくいくさ。

   攻防の傷痕

 

意識を失って倒れたジョンヲルの、

濡れた髪はきれいに拭かれ、着替えも済ませた状態で、寝台の上にいた。

 

部屋には暖を取るための火鉢が運ばれ、

雨戸もしっかり閉じられて蝋燭の灯る暗い部屋で、

フニにはもうできる事は何もない。

 

だが、意識が戻る前から、ジョンヲルはしきりに苦しみ始めた。

何度も頭を振り、顔を歪めて声が漏れる。

 

その度にフニはオロオロとジョンヲルを呼んだ。

 

「ヲルさま、ヲルさま・・・」

 

止められているが、ミニョに診てもらおうかと思う。

だが主人(あるじ)の命(めい)は絶対だ、うろたえるばかりで踏み切れずに立ち尽くすばかりだ。

 

「フニ・・」

 

意識を取り戻したジョンヲルが低いかすれた声をかけた。

 

「気付かれましたか。」

 

安堵の顔で駆け寄るフニにジョンヲルは息をつく。

大丈夫だと言おうとして背中に走る痛みに身体を固くする。

 

仮面を外したジョンヲルの額に浮かぶ苦悶の表情、

 

「ヲルさま、お願いです。」

 

見かねて訴えるフニにはもうできる事はないのだ。

 

「・・・大丈夫・・だ・・・・・大丈・・・ぶ・・・」

 

幽閉されていた時から時折あらわれる痛み、

傷はすでに癒えているというのに、まるで発作のように襲ってくるこの痛みを、

ジョンヲルは見つからないようにずっと一人で耐えてきたのだ。

 

いつものようにやり過ごすだけ、そう考えていたジョンヲルだったが、

雨に濡れて冷えた身体は、思っているよりも深刻な状況だった。

 

いつまで耐えても痛みが引かない、指先は冷たいのに熱に浮かされたように額には汗が滲む。

短く切れ切れの息が続くのを、フニはこれ以上見ていられなかった。

 

離れに向かうと、ミニョの前に立ち、「ヲルさまが・・」と、訴える。

その言葉にミニョはとっさに薬箱を手にして走り出していた。

 

暗い部屋で、一人苦しむジョンヲルに駆け寄る。

 

「どうして・・・」

「戻られてすぐ、意識を失われて・・・」

「じゃあ、お風呂には入ってないの?」

「えっ・・ええ・・」

 

フニの返事より早く、ミニョはジョンヲルの手に触れる。

それから、置かれただけの仮面にも手を伸ばした。

 

この仮面の下の顔をミニョは知っている、でも知っている事をジョンヲルは知らない、

知らないままにして過ごすつもりだった、でも今はそんな事を言ってられない、

 

「沸かしたお湯と、きれいな布をたくさん持ってきてください。 

 それとは別に水桶もお願いします。」

 

言ってミニョの手はジョンヲルの仮面に触れる。

その手を止めようとジョンヲルの手が動いた、だがミニョはそれを気にすることなく仮面を外した。

とっさに隠すように手をかざして顔をそむけたが、ミニョは気付いたはずだと思う。

 

だがミニョは何もなかったようにテギョンの額に手を置いて、熱を確かめると、

水に浸した布を額に乗せた。

 

今度は別の布を熱いお湯に浸け、手を水に浸けてから熱いのを我慢して布を絞る。

それをテギョンの首に当てるとじんわりと伝わる熱がテギョンの固くなった身体を和らげた。

 

「お風呂の代わりです。 手と足も同じように温めてください。」

 

ミニョの言葉にフニは真似をして布を絞ると、テギョンの手や足を温めた。

だが、温めるだけでは痛みが消える訳ではない、

 

「痛みを止める薬はないのか。」

 

苦しむ姿に、思わず口にする。

 

「医者に診てもらっ・・・」

 

言いかけたミニョは、危険は冒さないかと思う。

 

「多分、・・・幻通だと思います。」

「幻通?」

「・・・・斬られた時の痛みを、身体が覚えているんです。

 これは薬では治せません。『それこそ芥子のような薬でなければ…』」

 

ミニョは父、ジェヒョンの苦しみを思い出した。

母を亡くした痛みにずっと苦しんでいた父を、少しでも和らげたくて薬の事を調べ始めたのだ。

 

ジェヒョン王の事を考えて、ミニョはある事を思いついた。

 

「フニさん、身体を横向きに起こしてください。」

 

ミニョは布を桶に戻してテギョンを横に向けようとする。

 

「横に?」

 

訊き返したフニだったが、言われた通りテギョンの身体を横向きにして、

何をするのかとミニョを見る。

 

そのミニョはお湯に浸けた布を絞って、テギョンの服の前をはだけさせた。

驚くフニを気にもせず覆いかぶさるように抱きつく、

 

「ちょっちょっ・・・」

 

慌てたフニが声を上げる。

 

「傷痕を温めます。」

 

「・・・それで痛みが和らぐかも・・・熱くした布をください。」

 

ミニョの真剣な声が訴えた。

 

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

ミニョ、看病するです。

 

本来のミニョ像だとオロオロするのがぴったりだと思うのだけど、

今回のミニョはしっかりものに見えると思います。

実はこの点は何度も考えました。

 

テギョンもそうなんだけどミニョも人生が大きく変わる事件に遭遇し、

その中で生き抜かなければならなかったのに、そそっかしくて何も出来ないままでいいんだろうかって。

 

何も出来ない隠された王女が生き残って皇宮に侵入し暗殺を試みれるはずがない。

生来のミニョがそそっかしい事故多発地帯だったとしても、

今のミニョは必死に生きてて、周りには気を許せる者もいない状況。

ミジャは臣下で,ミニョは指示される側ではなく、指示する側で育って、

今はミニョがいろいろな事を判断しなければいけないとなれば、誰だってしっかりするはずだ、

が今回のミニョとなってます。

 

父の為に学んだ知識で、唯一の希望であるテギョンを守ろうとしている、

文面では見えないのだけど、ひたむきに一生懸命な姿をイメージしていただけたらな―と思います。

 

って書くとすごーーく堅苦しく見えるけど、

あなたがテギョンだと知ってると、心の内を見せた、ラブ
ラインに突入となる場面なんですね。

ヾ(@^▽^@)ノ

 

 

 

 

日本を蝕む火鉢

昨夜の中秋の名月
どうなのかな、全国で見られたのかな
こちらでは本当に綺麗に見えまして
仕事帰り、車を降りて家へと向かう
ほんの少しの間のお月見
その間に
平安時代、安倍晴明と源博雅が
ひとつの蝋燭の灯りを頼りに
夜の庭を眺めながら
酒を酌み交わしている
そんな風景を思い出していました
どこだったかな、あの風景
と、探したら
多分、これでした
Amazon
この中の「白比丘尼」の項の冒頭部分
あれ?雪の風景だったか・・?
記憶なんて大概のものだな・・(  ̄▽ ̄)
でも
確かにこの風景を思い出しながら私は
昨夜の美しい月を見上げたので
ちょっとだけ
平安時代の「もののあはれ」な風流を感じる
晴明と博雅とのやり取りを書き出してみます
雪が、降っている
柔らかな雪であった
風はない
ただ、天から雪が降りてくるだけである

開け放した戸のむこうに夜の庭が見えていた
茫ぼうとし庭が、一面、雪に埋もれている

灯りは、部屋に点した蝋燭の炎がひとつあるばかりである。その灯りが、夜の闇をぼんやりと闇の中に浮き上がらせているのである

白い闇だ
降り積もった雪が、わずかの灯りを内部に染み込ませ、冷たい、白い闇の影(ひかり)にかえて、あるかなしかの微光を、夜の庭で放っているようであった
枯れた芒(すすき)の上にも、女郎花の上にも、檜葉の上にも、紫陽花の上にも、萩の上にも
雪は降り、積もってゆく
それぞれの季節に、それぞれ盛んであった木々や草も、今は雪に埋もれてひとつになっている

太陰暦の十一月、太陽暦で言えば十二月である

その日の朝には氷雨であったものが、昼には雨雪(みぞれ)となり、夕刻には雪となって、夜に入ってからはいよいよしんしんと天から降りてくるのである

その部屋の畳の上に火鉢が置いてあり、その火鉢の中で赤くなった炭が、小さく針のはぜるような音をたてている

その火鉢を挟んで、ふたりの男が座していた
どちらも胡座をかいている

庭を左にして座しているのは、一見して武士とわかる男であった
冬物の直衣(のうし)を着て指貫をはいている
三十代後半の実直そうな面構えの中に
どこか愛嬌のある男である
源博雅朝臣である

博雅と向かいあっているのは武士ではなかった
座っていてさえ、そうとわかる長身の男だ
青みがかった茶色の目をした男であった
髪が黒く、肌が白い
内側の血の色が透けて見えているのかと思えるほど、紅い唇をしていた
鼻筋が通っていて、どこか異国人の風貌を思わせる
陰陽師、安倍晴明である

冬だというのに晴明は、夏と同じ白い狩衣を
無造作に身につけているだけであった
部屋の中とはいえ、戸を開け放してあるため
寒さはほとんど外とかわりない

ふたりで酒を飲んでいる
火鉢の横に
が置いてあり、そこに干し魚が盛られていた
ふたりは手酌で酒を飲みながら、干し魚を火鉢であぶって、それを食べているのである
風がないとはいえ、戸は開け放たれたままである
室内の温度は、外とほとんど変わりはない

ふたりは口数少なく、酒を唇に含んでは、静かに降り積もっていく雪に視線を注いでいる
柔らかな雪の一片ずつが、すでに地に積もった雪に接する時の、小さな、微かな音までが聴こえてきそうであった

その、枯れ果てたかに見える雪の庭に
たった一輪だけ、咲き残っている紫の花があった
桔梗である
その一輪の桔梗の紫が、まだわずかに雪が隠しきれずに見えている
その色も、ほどなく降り積もっていく雪が隠してしまうだろう

「静かな雪だな」
つぶやいたのは博雅である
雪の庭を見つめたままだ
晴明に声をかけたというよりは、おもわず誰にともなくその言葉が口から出たものらしい

「幽(かす)かな雪だな」
晴明が言った
晴明もまた、雪に目を向けている

「あそこに見えているのは、何だ」
博雅は、さっきから視線を注いでいた雪の中の紫色をしたものについて晴明に問うた
晴明はすぐに博雅の問うたものが何であるかわかったようであった

「桔梗だと?」
「そうだ」
「桔梗が、こんな時期にまだ咲いているのか」
「たくさん咲く中にはそういう花もあるということだな」
晴明がつぶやいた

「ふうん」
博雅がうなずいた
「そういうものか」
「そういうものさ」
「うむ」
「うむ」
ふたりでうなずき、また、静かになった
しんしんと雪が降り積もっていく
なんかね
月を見あげながら
こんな景色を想像して帰ってきたら
晴明神社さんから素敵なお写真が
「晴明公も今夜はゆっくりと月を愛でる」
素敵です、晴明神社さん(*´ω`*)
本当に晴明さまが
お月見をしておられるようです
きっと近くには博雅もいたに違いない・・
ここは晴明さまの
お家なんですもんね(*´ω`*)
雪に埋もれた最期の桔梗
どんなだったのかな
これは明るすぎますね・・( ̄∇ ̄*)ゞ
て・・
月を見あげながら
平安時代を想うって
ワタス、どんだけよ・・(  ̄▽ ̄)
羽生くんの晴明さまは
SEIMEIさまですから
夢枕獏さんの描く晴明さまとは
やはり少し違うかな
本の中の晴明さまより
もう少し若くて
そして基本、常に
鬼やら、魑魅魍魎やらと闘っている
SEIMEIさまですよね(*´ω`*)
オータム
なぜかフリーの方がリピ率が高いんですけど
なぜかしら・・
羽生くんもトロントで見たでしょうか
昨夜の美しい月を
あ、今見てるのかも・・(〃艸〃)
昨夜はANAさんも素敵なお写真を
載せてくれました
昨夜の月じゃないみたいですけど
ステキです
空を
見上げるのが好きなんです
雲や青空や
月や星
くもりの空でもね(*´ω`*)
今日も思う通りの練
できていますように
なむなむ
フィギアベマ、今年もやるんですね!
おろ
仕事で最初からは見れない・・(;▽;)

あれ、録画して

ガッツリ見たいんだけどな・・
でも楽しみ!!

ポチお願いしますm(_ _)m

今週は
JGPポーランドにフィン杯にJO
うん、できるだけ見よう
できるだけ・・
てかJOはテレビ、あるしね!!(≧∀≦)
行ってきますεε=(((((ノ・ω・)ノ

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